【水城せとな】世界で一番、俺が〇〇がめちゃくちゃ面白かった話【ネタバレ注意】
最新巻!読みました!
めちゃめちゃめちゃめちゃ面白かった!6巻が一番面白かったかもしれません。全員が不幸ゲームのドツボにハマっていく感じ。めちゃめちゃ面白かった。
登場人物
柊吾(しゅうご):頭がいい。一流企業に勤めている。高収入。仕事ができる。
アッシュ:イケメン。高コミュニケーション能力。ニート。
たろちゃん:ブラック企業勤務の低収入。低身長。低スペック。
773(ななみ):セカイより派遣された不幸ゲーム未届け人
ふみちゃん:弁当屋のかわいい子。たろちゃんの密かな思い人。
アッシュとたろちゃん死す!?
これが前巻の引きで、今巻の見どころだったのです。でも主要人物ってどの作品でも死ななくて、たぶん死なないなぁと思ってました。でもドキドキするよね。
773が上司に掛け合います。時間を巻き戻して二人が死なないように出来るらしい。代償は773の身体の機能。それで、眼帯してたわけですね。
773は優しいので、代償を払って二人が死なないように時間を巻き戻します。
ここではほっと胸を撫でおろしますよね。良かったって思いました。でも読み終わったらそうじゃなかった…
時間を戻した結果の不幸のつづき
時間を戻してたろちゃんは死にませんでした。でも結局アッシュを殺した疑いで逮捕されます。で、実はアッシュは重体だけど死んでなかった!
「カレー食いたい」
でもアッシュが生きてたら都合の悪い人、いるんですよ。真犯人のふみちゃんです。アッシュが話してしまえば、真犯人が一発でバレてしまいます。自分が罪をかぶるよ!って言ったたろちゃんも都合が悪いんですけど、たろちゃんはアッシュが生きてるって聞いて
「よかった・・・・・・・アッシュ・・・・・・」
と喜びます。親友だからね。たろちゃんいいやつ。
でもたろちゃんは、仕事はやめなくて済んだけど、もともと嫌な仕事で、さらに事件のせいで妹の婚約が破棄になります。母親もやつれて自分も家に居づらくなります。不幸の人生がもっと不幸になっていく…。ゲーム上はいいことなんだけどつらい。
綻んでしまった3人の友情
ふみちゃんが自白したので、たろちゃんは保釈されます。でもこれで元通りってわけにはいきません。なんせアッシュが不幸ゲームの勝ちをたろちゃん譲ろうとした結果、二人死にかけましたからね。
「何やらかしてんだって話だよ。たかがゲームでさ」
結局たろちゃんが好きなふみちゃんを引っかけて、間接的にたろちゃんを不幸にしようって思ったアッシュが、ふみちゃんの恨みを買って刺されて死にかけた。ってことなんでしょうけど、それはまだ分からない気がしていて。
アッシュってまだ未知数な気がするんですよね。他の二人よりモノローグが少ないし何を考えているかわからないところがありますよね。
結局そうすることでアッシュだって不幸になってるし、3人が仲いいからこそゲームは複雑で、一人が不幸になると引っ張られるように他の人間も不幸になってしまう。自分を不幸にするって難しいけど、他人を思いやれる心があると、周りの人間が自分のせいで不幸になることが一番ダメージなんじゃないかなって思います。だからこそこのゲームはめちゃめちゃ面白い。嵌めた人間が思いもしないところで不幸が生まれていきます。
アッシュがそこまで計算して動いたのか、はたまた今回の件は全くの予想外だったのか…。
不幸ゲームの報酬
「ゲームが終了して勝者が決定した瞬間にセカイへの通信回路が60秒間開きます」
何気に詳しく明かされてなかった報酬が明らかになります。柊吾がいう通り願い事はひとつだと思っていた…。60秒の間だったら何個でも叶えられるみたいです。
「なんだそれなら楽勝じゃん!何もなかったことにしてすべてをゲーム前の状態に戻すこともできるわけだし」
え!それなら確かに楽勝
「我々もそう思うんですけど、その時が来ると皆さん意外と60秒間をあまり有効に使えないんですよね」
楽勝とはいかない何かがあるみたいです。何なんでしょう。その瞬間に何があるんでしょう…。気になります。
「間違った叶い方をしないように正しく望みを伝えられる奴でなきゃいけない」
なるほど、正確に願いを叶えるってことに他の二人にはちょっと不安が残ります。ってことでゲームに真剣に取り組む姿勢を見せる柊吾。残り150日というとこまで来ました。
柊吾がどういう風に不幸ゲームを戦略的に動かすのかって、よく考えたら結構この作品の肝になる部分じゃないのかなって。773の説明によって柊吾が勝つっていうストーリーが見えた訳ですが、勝とうと思って勝つってことがいかに難しいかが今回の事件で分かったので、どういう攻め方をするのか、いや守るのか?ここからが戦略家柊吾の見せ所・・・
柊吾のターン
事件のことで柊吾がアッシュとたろちゃんをド正論で嗜めます。不幸ゲームでここまで胸糞悪い思いして馬鹿か?と。ド正論。そしてもう何もすんなと。これは暗に「俺に任せとけ」ってことなんですが、でも二人はもう長年根っこにこびり付いた柊吾への劣等感があります。
「柊吾にはわかんないよ・・・!」
切ないですね。柊吾は冷静に俯瞰で見て二人にフォローいれてるんですけど、結局は蚊帳の外なんですよね。3人は仲良いんですけど、その中で劣等感もあるし優越感もあるし仲良いだけじゃない、色んな感情がありますよね。そういう感情がゲームを通して表に出てきてしまいます。
「なんで俺一人何もわからないんだーーー偉そうに傍観決め込んだくせに何も知らないーーーなにも見えてなかった」
これは時間を戻す前の柊吾の言葉ですが、柊吾は柊吾で疎外感を感じたんだなって思いました。
結局何もすんな。俺に任せろってことで、柊吾がゲームを引き受けます。そしてゲームで勝つために773を遠ざけます。
柊吾と773の恋
773は時間を巻き戻す前、柊吾とキスしたことをなかったことにすることに少し抵抗を感じます。それってもう柊吾のこと好きっていうことですよね。で、最後、柊吾が773が近くにいると不幸になれないからといって773にもう俺の前に現れんなって言ってキスします。それって二人は両想いってことですよね。
「もう二度と会わないなんてことはない、絶対に」
と突っぱねた振りして思いを残します。ハッピーエンドのための一時の別れなんでしょうか。
「俺だってとんでもなく馬鹿だけど、このゲームは失敗しない」
この馬鹿って言葉が指すのは、隙を見せた結果同僚に嵌められて会社を懲戒解雇になったこととか、情の部分のことだと思います。そこを捨ててゲームに取り組むってことなんでしょうけど、どうなるでしょう。
これからどうなる?
773が会社で623号という同僚に会うシーンが印象的です。623号は今回の773と同じように時間を戻す代償として身体の機能を提供してきたらしく、目も見えず車いすに乗っています。773も今回提供したんだよーと車いすに乗る同僚に声をかけられると、知っていたら絶対止めたのにと言います。意外だったんですが・・・
「何度やっても雨は上から下へ落ちるもの。それは変えられない」
ぞっとしました。今回は確かにアッシュが死にかけて、たろちゃんが自殺にするっていう最悪の事態を止められた訳ですが、不幸ゲームを続ける限りはこういう事態はこれから先もやってくることがあり得ますよね。きっと623はその度に提供してきたと思わせるその姿がとても痛々しかったです。もう二度としないという773と約束だよと手をつなぐ623の手が義手で心が痛くなりました。
きっとこのシーンから察するに、この先773が時間を巻き戻したくなる瞬間がまたやってくるんじゃないかなと思います。今回で二人死にかけてるんで、次は本当に死ぬかもしれないですよね。
柊吾がゲームをどう動かしていくのか、守るのか攻めるのか…他の二人はどうするのか…結構6巻が山場で区切りだったので、次の巻でまた見えてくるのかなと思ってます!
大好きな漫画家・水城せとな
私の一番好きな漫画家の一人が何を隠そう【水城せとな】なんですけど、たぶん今やってる連載はこれだけなんじゃないかな?…って思います。
どんな作品を描いてきた人なのかというと
私が読んだもので
この漫画は一番共感度が高かった。真木よう子主演で映画化されました。
個人的には一番好き。ホントにホントにいつまでも続巻の発売を待っています。舞台化されました。
これが最初に読んだ作品なんですが、衝撃でした。人間描写が刺さります。BLなんですが、その分感情が濃くて面白いです。大倉忠義×成田陵で映画化決定してます。
どれもすごく面白いです。人間の表面的な喜怒哀楽ではなくて、内面の他人にはわからないような感情の共感度が高い。そういう作品が好きな人はハマるとおもいます。
また続巻楽しみです!