【水城せとな】世界で一番、俺が〇〇7巻!を読んだ話【ネタバレ注意】
前巻でふみちゃん殺人未遂事件に区切りがつき、柊吾がゲームに本腰いれて取り組む姿勢を見せ、ますます気になる展開になってきたところで続巻!読みました…
また意図しないところで不幸が生まれる芽が育ってきてます… そして新事実!鳥肌です…
前回までの雰囲気
登場人物
柊吾(しゅうご):頭がいい。一流企業に勤めている。高収入。仕事ができる。
アッシュ:イケメン。高コミュニケーション能力。ニート。
たろちゃん:ブラック企業勤務の低収入。低身長。低スペック。
773(ななみ):セカイより派遣された不幸ゲーム未届け人
623号:773の同僚。時間を巻き戻す代わりに自分のパーツを差し出し続け体が不自由
ヨシヒト:アッシュとだけ接触がある、別の時代担当のセカイの不幸ゲーム未届け人。
柊吾のターン!?
「俺だって馬鹿だけど、このゲームだけは絶対失敗しない」
前回、こう言って、不幸ゲームに本腰いれて乗り出し、良い感じだったナナミとも距離を置くことにした柊吾だったのですが…
「実はノープラン」
そうなんかーい!全然考えてなかったー!しかも仕事も辞めてしまったので、事実上の無職。でもそんな危機的状況でも
「必ずなんとかなる。俺は絶対やりとげる」
と自信を見せる柊吾でしたが、その思考がポジティブでどうしてもこれでは不幸になれないと頭を抱えます。無職の自堕落な生活もなんなら楽しんでしまっていて、前向きな自分に気付きます。この人実は一番不幸に向いてないんじゃないの…(笑)
柊吾がこの後ゲームを動かしていくのかと思いきや…やっぱり柊吾も不幸ゲームの参加者として状況や環境に不幸を左右される側の人間てことなのか…
3人の友情は取り戻せるのか!?
ふみちゃんの件で3人の関係にヒビが入ってしまい、それぞれが苦境に立たされています。たろちゃんはついに低賃金のゲーム制作会社の退職を決意。
「俺は金のために生きる」
と、母の病気の治療のためにもお金を稼ぐことを最優先に。お父さんには金のために生きるという選択はやめた方がいいと止められますが、お父さんのことも自分のことも責め、自分を追い詰めるたろちゃん。胸が痛い…。
アッシュはアッシュでふみちゃんの件で柊吾からもう何もするなと釘をさされたため、やることが無くなります。そしてもともとニートで無職なので、
「でも何もしないで、これからどうすりゃいいんだろうな」
と人生を見つめてしまいます。そして不幸ゲームを始めたことによって確実に不幸になっていってるアッシュ
「その頃にはもう誰もいねーよな きっと 何が残るんだろうな」
とゲームが終わる時のことを考えもう空虚感に襲われています。
最初は不幸ゲームの勝ちを譲ろう、とかゲームに勝ったら何をしようとか前向きなことを考えていたはずの2人が、もうゲームどころじゃないところまで追いつめられてしまいました。
このゲームの恐ろしいところは、この時点で冷静さを失う程追いつめられてしまってるたろちゃんが一番不幸ゲームの勝利に近い?ということですよね。今たろちゃんが勝利したって冷静に願いを叶えられるか微妙ですもん…。前回773が言っていた「願いを叶える時がくるとその時間をみんなあまり有効に使えない」というのはそういうことだったのか…?
そんなもう何もなくなってしまった2人に対して、まだ冷静さを保っている柊吾。
「たろもアッシュも俺も このゲームやって良かったって 笑って終わるために」
そう、ゲームを平和に終わらせるために、柊吾が勝つのが一番いいに決まっています。冷静に願いを叶えてみんな幸せになれるだろうから。しかし、そう冷静に考えられている現時点では、たろちゃんやアッシュの不幸には勝てそうにありません。
自分のことで手一杯でアッシュや柊吾のことまで考えられないたろちゃん。もうゲームのことどころか自分の大切なものも何もかもなくなってしまったと感じているアッシュ。ゲームの勝利者になって3人で笑い合う未来を信じて頑張る柊吾。
誰がゲームに勝利するかで3人の友情も元に戻れるか戻れないか変わってきそうです。
DQ値を語らない773
773が3人にそれぞれ触れてDQ値(不幸値)を測っているシーンはあるんですが、その数値は語られていません。でもその値を推察できるような表情が描かれているんですが、柊吾の時はなんだか嬉しそうな顔。たろちゃんの時は影の差したような顔。アッシュの時は心配そうな顔が描かれていました。たぶんアッシュが思ったよりDQが高かったのかなと読み取れます。そしてやはり柊吾は低いのかな…と。
柊吾の過去
柊吾はふとある一人の同級生のことを思い出します。柊吾の家が燃え父親が亡くなったとき、理由もないのにかばってくれたくれた女の子。斎藤みずほ。病気で入院していることを知り彼女に会いに行き、病院に通うようになり彼女に近づいていく柊吾。そして些細な違和感に気付きます。
「豆助はおとなしい犬だったよ」
彼女の怪しさに気付いた柊吾は彼女を問い詰めます。実は裏もとってあります。さすが柊吾。
「本当のことがわかったらもっと絶望するかと思ってた」
と真実を知っても思ったより受け入れてしまっている自分に気付く柊吾。
「世界で一番俺が愚かだ」
と自分を嗜めます。なかなか思ったように不幸になれない柊吾。なぜかって、人生の不幸をある程度受け入れてしまっているからなのかなと。不幸を感じるためには幸せを持ってないとダメなんですね。
773の変調
柊吾に距離を置こうと言われ、草葉の陰から柊吾を見守る773。なんだか幸せそうと同僚に言われます。恋をしている773は確かに幸せそう。
「「よっしゃ不幸の始まりだ」ってね」
と同僚が意味深なことを言います。やっぱり幸せは不幸の始まりってことなんだろうか。
全然柊吾はそんなつもりじゃないんですが、斎藤みずほに近づく柊吾をみて少なからずショックを受ける773。
「私たちはみなさんと違って痛みとかは感じないんですよ」
とアッシュとの会話の中で話していた773ですが、どんどん様子がおかしくなっていきます。そしてついに頭についている装置の回転が止まらなくなり
「不幸を感知してる」
と同僚が気付いた瞬間、その場に倒れてしまいます。痛みを感じないはずなのに、痛さを感じ始めた773、あっち側に行かないようにと心配そうな顔をする同僚から察するにセカイのエージェントにも何か人間のようなものになる機会があるのかな。これからそれが明かされるのかな。
ヨシヒトの不幸ゲーム
久しぶりの登場です!落ち込んでいる中ヨシヒトの登場でテンションが上がるアッシュでしたが
「ヨシヒト… その手… どうした…?」
とヨシヒトの異変に気付きます。ヨシヒト…お前もか…。
そこからヨシヒトが担当する違う時代のゲームについて語られます。ヨシヒトは知らない者同士3人にゲームをさせていたそう。
「ま、そのゲームはもう終わったんだけどさ 終わったあとでいろいろあってねぇ」
一人は大学生。一人はおばあちゃん。そしてもう一人は…
「俺は441号 お前は?」
「たかせ しゅうご」
何と、違う時代でヨシヒトがしていたゲームの参加者に幼いころの柊吾がいたんです。どうしますこれ…。どういうことー!
これからどうなる?
おばあちゃんがヨシヒトにあずきバー食べる?と聞くシーンがありますが、その一瞬でヨシヒトとおばあちゃんの心のやり取りが見て取れます。ヨシヒトはアイス好きなので。おばあちゃんにヨシヒトも心を開いたんじゃないかな?だからヨシヒトが義手になった原因はおばあちゃんなんじゃないかと推測してみます(安直)。そして違う時代で柊吾を見守っていたからこの時代でアッシュに声をかけてきたんだなと。何があったんでしょうねー!こわー!火事の件も関わってるだろうし、まだまだ目が離せません。773も気になるし次巻も楽しみです!